「午前四時のメイクアップ」の感想その3です。この企画に参加できてよかった!ちまちま書いていた感想ですが、ここで掲載順に最後の作品まで書き切りました。
無料電子書籍 「午前四時のメイクアップ」
ダウンロードはこちらからどうぞ
乙女注意報発令中
Mのついたポテトわかるわかる!たまに食べたくなるの。女の子達の恋話いいなー!女子校に行っていたので、恋話する機会なんてなかなかなかったはずなのに、なぜかわかってしまうこの感覚。自分もその場に居合わせて、三人のきゃいきゃいした会話を聞いている気分になれてすごく楽しかった!
エナメルブーケはとりおきで
安田!これはだめだろう安田!(笑)何という手抜き。まあ、彼女でもない相手ならこの程度なのかもしれないけど。いや、でもこのくらいの方が意外と穏やかにやっていけるかもしれませんよう、なんて。年を取ると理想が現実の方へと寄ってくるのかもしれない、なんていうのは考えすぎでしょうか。
98%有害結婚
ああもう、ダメンズ。なんてダメンズ。しかし、この方の書くダメンズって憎めないと思うのですよ。もう最初の三行読んだだけで「あの方か」とわかってしまう強烈な個性。そのくせ、夢の中のシーンはやたらに可愛かったりして。ハンドクリームを塗る仕草を印に持ってくるのがにくい演出。
もらい紅
あー……学生の頃って意外と残酷よね。容姿のことでいろいろ言われるのってトラウマになるのわかる。でも、他の人に綺麗って言ってもらうという発想はなかった。マリコさん、可愛い。通っているうちに好きになるのわかる。ラストの余韻が気持ちよくて、いつまでも浸っていたい感じでした。
愛を飼う男、名を乞う女
たぶん、この方の作品を読むのは初めてだと思う。心の中にたった一つの愛を囲う男。昇華しきれない感情を抱える女。あの時、化粧品のポーチを取ってしまったのは、死者に誘導されたのかなと思うのはこちらの深読みしすぎでしょうか。昇華しきれなかった感情を、物語終了後の彼女はどう呼ぶのかと気になりました。
ポラリス
北の空に輝く北極星のように、椿の柊に対する感情は迷いがないのだと思う。双子、という他にはない特殊な二人の間にしか存在しない関係。大人になれば、否応なしにもその関係は変化せざるをえないわけで。最後の最後のシーン。艶やかな唇に載せられた色が、二人の関係に決定的な楔を打ち込んだような気がします。
最後の最後に一言、みたいなもの
作品への向き合い方も、この企画へ参加する気持ちも、参加者それぞれだと思うのです。
言葉の刃を研ぎ澄ます人、一字一字を絞り出す人、言葉の波と戯れている人、暖かな毛布で読者を包み込もうと待ち構えている人、お祭り気分でひゃっほいな人。
だけど創作に向き合う姿勢はそれぞれでも、皆、読むこととと書くことが大好きなことには変わりがないと思うんです。そんな雑多な人達が集まって作り上げたこの一冊。どの作品をとっても、一粒の宝石のように煌めく何かを感じ取れるんじゃなかな……なんて。
お忙しい中、参加者を募り、コピーを考え、イラストを描き……と大変なことを一手に引き受けてくださった黒原紫音様、いいよ様。ありがとうございました。
二年連続可愛げのない女という引き出しの少なさを露呈してしまいましたが、今年もこの素敵な企画に参加させていただいたこと、ものすごく嬉しく思っています。
参加者の皆様、今年も素敵な作品との出会いをありがとうございました。「この方らしい作風だ!」と思ったり、「こんな作風もお持ちなのか!」驚かされたりと、一読者としてもすごくすごく楽しかったです。
最後になりましたが、読者の皆様。ありがとうございました。今は伏せていますが、意外と私の作品はどれかなんてすぐにばれてしまった気がするのですがいかがでしょうか。
どの作品が、どの作者の手によるものか。楽しんでいただけたなら……と思います。